風水とは

古代中国で都市、家、建物、お墓などを建てる時にその位置の吉凶禍福(きっきょうかふく)を決定するために用いられていた思想(環境学)です。
もともとは、昔黄河流域で人々が幸せに、安全に住むために生まれた学問で、自然の風の流れや水との関わりをデータとしてまとめ、家を建てたりする時に活かしていたものが、陰陽説や五行説などと組み合わせて発展し、世界中に広まったものです。

日本への到来は、飛鳥時代のはじめと言われています。「古事記」などの書物に風水術の記述があり、日本の国づくり(首都選定・神社仏閣の建立)に用いられました。

昔から日本にある神社仏閣や城などの重要建造物は風水をもとにして建てられたものが多くあります。
そのため、その地域でも最高に気の流れの大変良い、幸せになれるであろう場所=パワースポットとなっているようです。

風水地理五訣
●竜/龍
土地の起伏やうねり、山脈や尾根筋などの形状を「竜/龍」に例えたものです。
・山脈のことを龍脈といいます。
・起伏が良く、生き生きとした「竜」の土地を「貴竜」といい、多くの「気」が集まり、住む人の身分や地位を高くするといわれています。
・起伏が全くない土地は「賤竜」といい、「気」が集まることがなく、住む人の身分地位を低下させるといわれています。
●穴
「竜」のなかの位置のことです。
・「竜穴」…「竜」に囲まれて特に大気の「気」が集まるところで、非常に尊びました。
・「穴管吉凶」…「穴」の形状が「吉穴」(「的穴」ともいう)なら、住人は災難から守られ、形状が「凶穴」(「歪穴」ともいう)なら、住む人はいつも災難に晒されるといわれています。
●砂
「穴」の周囲の空気や、周囲にある土砂や、丘や建物などの固形物のことで龍穴の守りとなる凸地です。
穴の左にあると青龍、右にあると白虎、前面を朱雀、後面を玄武と称されます。
・「寿砂」…きれいな空気で、泥濘になったり塵埃が上がったりしない土地、また適度な高さの丘や建物は、住む人を健康や長寿に導くといわれています。
・「夭砂」…汚れた空気で、いつも泥濘になったり、塵埃が上がるような土地や、高すぎる丘崖や建物は、住む人を不健康や短命に導くといわれています。
●水
「穴」の周囲の河・池・湖・海などをいいます。
・「抱水」…「穴」の周りを取り巻いて流れるような「水」で、そこに住む人は、次第に金持ちになるといわれています。
・「背水」…「穴」のほうに背を向けて流れる「水」で、そこに住む人は、次第に貧乏になるといわれています。
●向
「立向」とよばれ、建物や墓石などの表面側が向く方位や、「立向」と逆の背面側の方位のことで、易卦や干支などで、建物や墓地の良し悪しを判断します。